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江濵沙依子さん テキスタイルアートコース

作品タイトル:「身体を織る」
テキスタイルアートコースの江濵沙依子さんにメディアデザイン領域1年生の神田遥香が取材しました。


5回目 2月10日

 

最後となる今回のインタビューではテキスタイルアートコース実習室で京都市美術館での卒業制作展の感想や将来についてお聞きしました。写真は卒業制作展の期間中にたびたび訪れ、撮影したものです。

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神田:お疲れ様でした!先輩はその場で作品を作るというパフォーマンスをされてたから、お客さんに話しかけられてることが多かったように見てておもったんですが、どうでしたか?

江濵:お客さんからは「何してんのん?」っていう質問から始まるんですよ(笑)私は別の質問がくると思ってたので「何してんのん?」かぁ・・・と思って。その質問から始まるってことは、やっぱり織りっていうものについてあんまりみんな親しみがないんだなということに気づきました。視覚的に楽しんでもらうのがまずスタート地点として設定したいなというのがあったんで、何にも知らなくてもおもしろいとか思ってほしいなと思いながら制作しました。

 

パフォーマンス中の江濵さんとお客さん

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神田:搬入に行ったときに前回のインタビューの時より作品がたくさん増えててびっくりしました(笑)一つ一つの作品ににメモがついていてすごくわかりやすかったです!

江濵:それもつけなさいって先生に言われたんですよ(笑)つけたら、あぁ~なるほどなるほどって呟いていく人が多くて、わかってくれたんやなぁって思いました。

 

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京都市美術館で行われたテキスタイルアートコースの公開合評の様子

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神田:やっぱりその場にいて実際に作品を作っている人はいなかったから、よくお客さんと話されているなっていうのが印象的でした。

江濵:めっちゃ近くに寄られて手元がすごく震えました(笑)

神田:緊張します?(笑)

江濵:手元とお客さんの目の距離10cmとか(笑)

神田:近い!(笑)

江濵:やめてって~(笑)

神田:結構みんな食いつくように至近距離で見てる方が多かったですもんね。笑

江濵:度胸試しみたいな感じです(笑)人の前でやるってことも勇気がいるから。

神田:今までインタビューしてきて思ったんですが、先輩はあえて厳しいところに持っていかれることが多い気が・・・(笑)

江濵:・・・嫌いじゃないです(笑)1年生、2年生の時も結構自分に厳しかったんですよ。それを今その時を知らない人に言うと、え~うそ~って言われるんですけど(笑)3、4年はゆるゆるに過ごしてたんでもう一回自分に厳しくやりたいなと(笑)

 

神田:では、これからの活動はどのようなことを考えていますか?

江濵:一応就職活動をしてたんですけど決まらなくて、モノは作ってたいのでどうしようかなって思ってたんですが、父親が京友禅の職人してるんですけどそれ手伝いながら、親と話してるには私のブランドを作ってもいいよと言われたので、親と連携しながら着物だけじゃなくて雑貨などを作って活動していけたらいいなと思っています。京友禅をスタート地点にして、あとは好き勝手にしていいよって言われてるので自分が思うように活動していこうかなと・・・

神田:自分でブランドを作るってことですよね?すごい!

江濵:就職活動をしてたらいろいろ疑問がわいてくるんですよ。大学に入ると就職のガイダンスとかあるじゃないですか。その流れに乗って就職しなあかんみたいな空気がまわりにでてきて、私もその流れに乗って就活してみるんですけど、いつまで経っても私には馴染まなくて…それで私は本当に就職してみたいのかなって疑問から始まって、やっぱりせっかく大学で勉強したんやしちゃんとやりたいことやろうと思ったんです。親はだいたいやりたいことはお金を貯めてからやりなさいって言うんですけど、今のこの歳だからいっぱい失敗もできるしそれが許されるって言ったら悪いかもしれんけど、まだ大学出たてで何も知らんような歳やから社会的に許されるところがあると思うんで、それを逆に利用して活動しようって。やっぱり就職してお金を貯めていかはる人の期間を使って、自分は高みを目指して上へ上へいく。お金を貯めてから始める人とだいぶ時間の差ができるからそこで差をつけたいんです。人と違うことをするってことはたぶんそれなりの壁とかまわりの厳しい目とかあるだろうけど、そんなんは人と違うことしてるから当たり前だと思うんで。アウェーこそ燃えませんか?(笑)

神田:やる気がわくんですね(笑)

江濵:なにくそ!みたいな(笑)私は一浪もしてて受験も失敗してて、コンプレックスの塊なのでそのコンプレックスがあってこそ頑張れる。まわりを見返してやりたいんです。次あった時に私はまわりより大きくなってて、今更寄ってきたって知らないんだからって言いたい。(笑)

神田:なるほど(笑)すごい決断ですね。勇気いりますよね。

江濵:結構悩みましたね。就活をしてる間もずっとそれで悩んでて、だから面接行っても悩んでることが表に出ちゃってて、面接官の人に読まれちゃって、この子なんか中途半端な気持ちなんやなって思われて落ちちゃう。

神田:じゃあ就活を始める前からずっと悩んでたことなんですか?

江濵:なんでみんな同じときにスタートして同じような格好して同じようなつまらない発言をするんやろうって。面接ってシステム的っていうか。流れ作業みたいなところに気持ち悪さを覚えて、自分で発言しながら気持ち悪!ってなっちゃって。(笑)

神田:言いながら自分の中で戦ってる感じですね。(笑)

江濵:でもそんなんだしたらあかん。親の手前もあるし親に今までお金出してもらってた分返していかなあかんから、稼いでいかなあかんけども、自分の人生やから私のやりたいことをやりたい。自分のまわりの環境と絡めるともう全然わからんくなってどうしようって悩んでたんですけど、親はなんとなく悩んでるのを悟ってて好きなことやれよって言ってくれて。

神田:結構スッと賛成してもらえたんですか?

江濵:いや、スッとじゃないですよ。今でもたまに「こんなん求人あるけどどう?」ってすすめてくるんですよ。あぁやっぱり就職してほしいんやなぁって思うんですけど、でも一回決めたことは私も曲げないタイプなんで、決めたからって言ってもう無視ですよ(笑)

神田:(笑)4月からもう始められるんですか?

江濵:はい。でも現実はそれだけでは食べていけないので、何か手段を見つけないといけないんですけどまだ模索中です。

 

神田:毎回たくさんお話してくださるのでインタビューが楽しかったです!

江濱:私自身あまりピックアップされることがなかったのでとても嬉しかったです。ありがとうございました。

神田:こちらこそありがとうございました!

 


4 回目 1月28日

4回目となるインタビューは、京都市美術館での搬入の様子を取材させていただきました。

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江濵さんの作品もトラックから降ろされ、どんどん運ばれていきます。

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傷つけないよう、丁寧に包装された江濵さんの作品。

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一つ一つ位置や高さを調整しながら、包装をはずしていきます。

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何度も教員と話し合いながら作品を調整されていました。

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お互い協力しあいながら作業をしていくテキスタイルアートコースの学生たち。

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真剣なまなざしで作業を進められている江濵さんの姿がとても印象的でした。

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3 回目 1月16日

──テキスタイル実習室にて取材させていただきました。

神田:こんにちは。今年も宜しくお願いします。

江濵:こちらこそ宜しくお願いします。

神田:前のインタビューから冬休みをはさみましたが、制作の進み具合はどうですか?

江濵:だいぶ方針は見えてきたので、あとは自分の頑張り次第でなんとかしないといけないなと・・・(笑)

神田:何体ぐらいできているんですか?

江濵:今、完成しているのは3体なんですけど、あと8体制作しないといけない・・・(笑)

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江濵:会期までには5体、6体完成させるのが目標です。後の残りはパフォーマンスで展示中に完成させます。

神田:その場で完成させるんですか!すごいパフォーマンスですね!

江濵:会期中に完成させないと!

神田:初日に合評ですよね?パフォーマンスも初日ですか?

江濵:いや、毎日コツコツやって完成させます。

神田:あっ!毎日やるんですか?!

江濵:はい。自分でもできるのかなぁと思うんですけどね(笑)

神田:完成している3体以外はもう縦糸は張ってあるんですか?

江濵:縦糸は・・・張ってないです。ちょっと急がないと(笑)

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神田:1体仕上げるのにどれくらいかかるんですか?

江濵:とっかかったら早いほうなので、1体とか2、3日でやってしまいます。

神田:本当にエンジンがかかると早いんですね!思うように作業は進んでいますか?

江濵:最初にあんまりビジョンを掲げないで自由にやろうと考えていたんです。なるようになると!笑

神田:なるほど(笑)

 


2 回目 12月12日

—テキスタイル実習室にて取材させていただきました。

神田:こんにちは。

江濵:こんにちは。

神田:制作のほうは進みましたか?

江濵:それがまだあんまりエンジンがかからなくて・・・笑

テキスタイルアートコース

神田:でも前より1体増えましたよね?この赤い糸のは初めて見ました。

江濵:そうですね。とりあえず縦糸だけやってみました。

 

神田:では今回は今まで作られてきた作品について聞かせてください。

江濵:これが今までの作品をスクラップしたものです。

神田:これは3年のときからですか?

江濵:そうですね。これは3年生の時の作品なんですけど、針金をかぎ針で編んで途中からステッチをしていったりとか。最初透けたものがすごく好きで・・・それで進級制作展で作りました。これアイロンで折っていくと型が付くんですよ。

テキスタイルアートコース

神田:わぁ・・・すごい!

江濵:折々ってなってるのをこんな感じでいろいろ留めたりしてました。

神田:きれいですね。

 

江濵:あとは比叡山延暦寺で展示させてもらったりもしてて。

神田:すごい!

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江濵:これはヨシで作ったんです。

神田:琵琶湖のヨシ!私も総合の授業でヨシを使って立体を作りました!笑

江濵:根本中堂っていうお庭のところに展示してもらったんです。

神田:作るのは服だけじゃないんですね。

江濵:そうなんですよ。なんか・・・引っ張っていかれてる(笑)

神田:(笑)

テキスタイルアートコース

テキスタイルアートコース

江濵:これは近江の麻でウェディングドレス作ってくださいって言われて、ウェディングドレスとかブーケとか髪飾りとかを作りました。

神田:これは学校外の活動ですか?

江濵:そうですね。

神田:楽しそう!

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江濵:これは成人式の振袖なんですけど、デザインを自分でして・・・

神田:自分でされたんですか!?えぇー!

江濵:父親が職人なんで実際に作ってもらって・・・

神田:すごすぎる・・・

江濵:これはクリムトの絵なんですけど、クリムトのこういう細かい柄の部分がすごい好きで・・・(下絵の)三角とか四角はクリムトの絵からヒントをもらってきました。あとポピーも好きなんで、ポピーも組み合わせたり。

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江濵:店舗デザインしてみたり。

神田:あ、自分で考えて・・・

江濵:グッズのデザインとか、ショップバッグとか。あとは、DMだったりビラだったり。

神田:すごいなぁー・・・私がしたいこととも似てますね。

 


1回目 11月25日

─テキスタイル実習室にて取材させていただきました。

神田:こんにちは。はじめまして。これからよろしくお願いします。

江濵:よろしくお願いします。

神田:さっそくですが、今どんな作品を作っているか教えていただけますか?

江濵:今まだちょっと途中なんですけど、ボディに直接縦糸として糸とかいろんな素材を張って、横に服を割いたものや古着とかを割いたものを通して織り込んでいくという、服のような造形物のようなものを作ってます。

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神田:タイトルは決まってますか?

江濵:タイトルですか(笑)

神田:まだそこまではいってないですか?

江濵:最後にいつも決めるのでまだですね。ちょっと全体見てからって感じで。

神田:奥にあるものも江濵さんの作品ですか?

江濵:そうですね。

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江濵:これ一応1体目なんでどんな感じかまだつかんでない状態でやってみたんですけど、すごい縦糸とか下の縦糸が集まるところの線とかもきれいに見えるんで、横あんまり通さなくてもいいかな~みたいな。で、合計全部で目標8体。

神田:えっ!?8体も作られるんですか!?すごいですね!

江濵:作るつもりです(笑)当日に、パフォーマンスでちょっと会場でも織りをやろうかなと思ってます。
神田:この作品はどういうところから思いついたとかありますか?

江濵:私もともと服をずっと作ってきてるんですけど、服を作るには型紙をひかなくちゃいけないじゃないですか。それがちょっとこんなん言ったらあれやけどめんどくさいんです(笑)

神田:たしかに大変ですもんね(笑)

江濵:テキスタイルの特徴として織りと染めがあるんですけど、もしかして直接張ったら型紙ひかなくても服作れるんちゃうんって思って(笑)

神田:あ~なるほど!

江濵:で、そっからちょっと展開をして作ろうと思いました。普通の糸を横糸にしてもいいんですけど、それやとおもしろくなくて・・・

神田:それで服なんですね。1体ずつ結構同系色でまとめるんですか?

江濵:そうですね。なんかこれは一応グラデーションをやりたくてやったんですけど、あんまりちょっとうまくいかなくて・・・

神田:とてもきれいですよ!

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江濵:こことかはニット、セーターとかカーディガンとかを使ってて、これはネクタイとかで。で、スカートのちょっと透けた素材のやつとかTシャツとか。で、あとこれがスーツのズボンなんです(笑)

神田:わあ!すごい!笑

江濵:で、これネクタイで普通の夏物のスカートとか。

神田:普通に割いて細長くしてやってるんですか?

江濵:そうそう。

神田:すごい。ここボタンとかも見えてますね(笑)

江濵:こういうタグとかボタンとか見せたり、ひも垂らしてみたりとかして。

神田:服って感じがしますね。

江濵:ちょっと服を使ってますっていうのを遊び心で出してみようかなと思ってやってます。

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神田:進み具合としては順調ですか?

江濵:私スイッチがかかると早いほうなんですけど、エンジンがなかなかかからなくて(笑)

神田:制作はいつごろから始めてるんですか?

江濵:制作は~・・・後期に入ってから。

神田:前期は何をされてたんですか?

江濵:3年生の時から一貫して卒業制作に向けて段階を踏んでいく感じなんですけど、ちょっといろいろ迷いもあったりして脱線して(笑)で、結局はこういうところにかえってきた感じです。

神田:コースを選ぶときにテキスタイルっていうのは初めから決めてたんですか?

江濵:高校の時にファッションを勉強していて、好きな作家(ファッションデザイナー)さんがいるんですけど、その作家さんがすごい布のほうに重点を置いて形とかはざっくりとした感じで、布に凝って作ったはるのをみてそういうのもアリなんやなぁと思って。で、テキスタイルで勉強したらもうちょっと深まるかなぁとか思って。

神田:ちなみに作家さんの名前教えてもらってもいいですか?

江濵:皆川明(みながわあきら)さんです。

神田:家に帰って調べてみます(笑)

 


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